AIを仕事に取り入れる方法|初心者でもできる活用例をわかりやすく解説

AIを仕事に取り入れる方法を初心者向けに解説する記事のアイキャッチ

AIにできることが分かってくると、

「仕事でも使えそうだけど、何から始めればいいの?」
「会社の仕事をAIに任せても大丈夫?」
「実際にはどんな作業で使えるの?」

と気になる人もいるのではないでしょうか。

AIは、仕事をすべて代わりにやってくれるものではありません。

でも、文章の下書きを作ったり、情報を整理したり、アイデアを出してもらったりと、仕事の一部分を手伝ってもらうことはできます。文章作成・要約・アイデア整理などは、現在の生成AIでも代表的な業務活用例です。

前の記事では、「AIにできること」「AIにできないこと・苦手なこと」を紹介しました。

今回はそこから一歩進んで、実際の仕事にAIをどう取り入れればいいのかを、初めて仕事でAIを使う人にも分かるように見ていきます。

目次

最初から仕事を全部AIに任せなくていい

AIを仕事に使うと聞くと、

「AIで仕事を自動化しないといけない」

「難しい使い方を覚えないと意味がない」

と思うかもしれません。

でも、そんなことはありません。

最初は、

自分が普段やっている仕事の中から、一部分だけAIに手伝ってもらう

くらいで十分です。

たとえば、

  • メールの下書きを考える
  • 長い文章を短くまとめる
  • 会議メモを整理する
  • アイデアをいくつか出してもらう
  • 文章を読みやすく直す
  • 作業手順を整理する

といった使い方があります。

最初から大きな仕事を任せるのではなく、普段行っている小さな作業から試す方が、AIが自分の仕事で役立つかどうかも判断しやすくなります。OpenAIの初心者向け業務活用ガイドでも、下書き・要約・アイデア出しなど、既存の作業から始める方法が紹介されています。

仕事そのものをAIに任せるのではなく、自分の作業を少し楽にするための補助役として考えてみましょう。

メールや文章の下書きを作ってもらう

仕事では、文章を書く機会が多くあります。

たとえば、

  • 社内メール
  • 取引先への連絡
  • お知らせ文
  • 報告文
  • 資料の文章

などです。

文章を一から考えるのが大変なときは、

「取引先に日程変更をお願いする丁寧なメールを作って」

「この内容を社内向けに分かりやすくまとめて」

とAIにお願いすると、下書きを考えてもらえます。

ここで大切なのは、

AIが作った文章を、そのまま送る必要はない

ということです。

内容や表現を確認して、自分の言葉や会社の雰囲気に合わせて直します。

つまり、

AIに下書きを作ってもらう

自分で確認する

必要なところを直す

送信する

という流れです。

ゼロから文章を考える負担を減らせるだけでも、十分に使う意味があります。

最初は名前や会社名を入れずに試してもいい

仕事の文章を作るとき、最初から実際の顧客名や会社名をAIへ入力する必要はありません。

たとえば、

「○○株式会社の田中さんへ、8月20日の打ち合わせを変更したいメールを書いて」

ではなく、

「取引先へ、打ち合わせの日程変更をお願いする丁寧なメールを書いて」

と依頼します。

AIに文章の形だけを作ってもらい、会社名・人名・日時など必要な情報は最後に自分で入れる方法です。

これなら、不要な情報をAIへ渡さずに文章作成を試すことができます。

ただし、どの情報を入力してよいかは会社や利用しているAIサービスによって異なるため、最終的には勤務先のルールを確認してください。

長い資料や文章を整理してもらう

仕事では、読むものが多くなりがちです。

長い説明文や資料を見て、

「結局、重要なのはどこなんだろう?」

と思うこともあります。

そんなときは、

「この文章の重要なポイントを3つにまとめて」

「初心者にも分かるように整理して」

「やるべきことだけ抜き出して」

とAIにお願いできます。

大量の文章から、要点を整理するための補助として使う方法です。要約も現在の生成AIで一般的に使われている用途の一つです。

ただし、

AIの要約だけを読めば、元の資料を確認しなくていいわけではありません。

契約内容や金額、期限など重要な情報が含まれている場合は、必要な部分を原文でも確認します。

AIには、

大量の情報から全体像をつかむための補助

をしてもらうと考えると分かりやすいでしょう。

会議メモや情報を整理してもらう

会議や打ち合わせのあと、

「メモはたくさんあるけど、結局何をすればいいんだろう?」

という状態になることがあります。

そんなときもAIを使えます。

たとえば、

「決まったことを整理して」

「次にやることを箇条書きにして」

「担当者ごとに整理して」

とお願いする方法です。

バラバラになっている情報を整理して、次に何をすればいいのかを見やすくする手助けになります。

ただし、会議メモには顧客情報や未公開情報などが含まれていることがあります。

実際の会議内容をそのままAIへ入力してよいかどうかは、会社のルールを確認してから判断してください。

アイデア出しの相手になってもらう

仕事では、

「新しい企画を考えて」

「別の案も欲しい」

と言われることがあります。

何もない状態からアイデアを出し続けるのは、意外と大変です。

そんなときは、

「若い世代向けのキャンペーン案を10個考えて」

「この企画とは違う方向の案を出して」

「商品の魅力を別の視点から考えて」

などとAIに相談できます。

AIが出した案を、そのまま採用する必要はありません。

自分では思いつかなかった方向を知るために使う

くらいで十分です。

AIに候補を出してもらい、

「これは使えそう」

「これは今回には合わない」

と判断するのは人間です。

AIを「正解を決める相手」ではなく、一緒に考える相手として使います。

情報を整理したり、比較するための項目を考えてもらう

複数の商品やサービスなどを比較するときにもAIを使えます。

たとえば、

「この3つを比較するなら、どんな項目を見るといい?」

「料金・特徴・メリット・デメリットで整理して」

とお願いできます。

また、自分で確認した情報を渡して、

「表に整理して」

と頼む方法もあります。

ここで重要なのは、AIに最新情報を調べてもらった場合でも、重要な数字や条件をそのまま信用しないことです。

料金、契約条件、サービス内容などは変更される場合があります。

仕事の資料として使うなら、公式サイトなどの情報と照らし合わせて確認します。

作業手順を整理してもらう

仕事を始めるとき、

「やることが多くて、何から手をつければいいか分からない」

ということがあります。

そんなときは、

「この作業を5つの手順に分けて」

「初心者でも進めやすい順番に整理して」

とAIにお願いできます。

たとえば、

資料を作る

内容を確認する

上司に見せる

修正する

提出する

というように、作業を小さく分けてもらいます。

仕事そのものをAIにやってもらわなくても、

「何を・どの順番でやるか」を整理してもらう

だけで、取りかかりやすくなる場合があります。

仕事で使う前に、会社のルールと情報管理を確認する

仕事でAIを使うときに、特に重要なのが情報の扱いです。

仕事では、

  • 顧客の個人情報
  • 社員の個人情報
  • パスワードや認証情報
  • 未公開の商品情報
  • 契約に関する情報
  • 社内だけで使う資料
  • 会社の機密情報

などを扱うことがあります。

こうした情報について、会社の許可なく外部のAIサービスへ入力しないことが大切です。

AIサービスによって、データの保存方法、利用条件、管理機能などは異なります。経済産業省のAI事業者ガイドライン第1.2版でも、AIシステムやサービスへ機密情報等を不適切に入力しないよう注意することが示されています。

一方で、すべてのAIサービスが同じ条件というわけでもありません。

たとえば企業向けAIでは、組織向けのデータ保護や管理機能が用意されている場合があります。OpenAIでもChatGPT BusinessやEnterpriseなどの業務向けサービスについて、組織のデータをデフォルトではモデル学習に利用しないとしています。

だからといって、

「業務用AIなら何を入力しても大丈夫」

という意味ではありません。

大切なのは、

「AIだから全部入力してはいけない」
「安全そうだから何を入れてもいい」

と自分だけで判断しないことです。

会社によって、

「使用できるAIサービス」

「入力してよい情報」

「入力してはいけない情報」

などが決められている場合があります。

仕事でAIを使う前に、

会社のルールと、利用しているAIサービスの条件を確認する。

分からなければ、上司や担当部署へ確認します。

これを基本にしておけば、便利さだけを優先して情報を扱ってしまうリスクを減らせます。

AIが作った内容は、自分で確認する

仕事でAIを使ううえで、とても大切なのが、

AIが作ったものを、そのまま完成品にしない

ことです。

生成AIは、もっともらしい内容でも事実と異なる情報を出すことがあります。NISTの生成AIリスク管理資料でも、出力の信頼性や検証は重要なリスク管理項目として扱われています。

仕事では、

名前が違う。

数字が違う。

文章の意味が少しずれている。

必要な条件が抜けている。

といった問題があれば、そのまま相手へ伝わってしまう可能性があります。

そのため、

AIに作ってもらう

内容を確認する

必要なら修正する

完成させる

という流れを基本にします。

AIにできないことや苦手なことについては、「AIにできないこと・苦手なこと」の記事でも詳しく紹介しています。

最後に確認するのは人間

という意識を持っておきましょう。

AIに任せる部分と、人間が担当する部分を分ける

AIを仕事に取り入れるときは、

「全部AIに任せる」

か、

「全部自分でやる」

の二択ではありません。

たとえばメールなら、

AI:下書きを作る
人間:内容を確認して送信する

資料なら、

AI:構成案を考える
人間:情報を確認して完成させる

アイデアなら、

AI:候補を出す
人間:目的に合うものを選ぶ

という分担ができます。

つまり、

AIには「仕事の途中」を手伝ってもらう

という考え方です。

最終判断や承認を人間側に残す考え方は、業務向けAI活用のガイダンスとも整合します。

AIが得意なところは任せる。

人間が確認すべきところは確認する。

この分け方ができると、AIを無理なく仕事へ取り入れやすくなります。

まずは一つの作業から試してみよう

AIを仕事に取り入れるために、最初から大きく仕事のやり方を変える必要はありません。

まずは、

「今日送るメールの下書きを作ってもらう」

「この文章の要点を整理してもらう」

「この作業を順番に並べてもらう」

など、一つの作業から試してみます。

そのときも、会社のルールを守り、必要のない個人情報や機密情報は入力しないようにします。

そして、

「これは楽になった」

「これは自分でやった方が早かった」

と実際に確かめます。

AIが向いている作業は、人や仕事内容によっても違います。

だからこそ、最初から何でもAIへ変えるのではなく、自分の仕事で本当に役立つところを少しずつ見つけていくことが大切です。

すべての仕事をAIに変える必要はありません。

自分が困っているところだけ、AIに手伝ってもらう。

それだけでも、仕事でAIを使う意味はあります。

AIは、人間の仕事をすべて代わりにやる存在ではありません。

でも、使う場所を選び、人間が確認しながら利用すれば、

作業や考える負担を減らすための補助役

として活用できます。

まずは、自分の仕事の中にある「ちょっと面倒」を一つ探すところから始めてみてください。

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